【2025年】SIer企業ランキング徹底比較！失敗しない会社選び3つのポイント

自社のシステム開発を任せるパートナーを探しているものの、

「どのSIerが本当に信頼できるのか分からない」

「ランキングサイトは多いが、何を基準に選べば良いのか判断できない」

といった悩みを抱えていませんか。

最適なSIerを選定するには、企業の規模、収益性、そして働きがいといった多角的な視点から各社を客観的に評価することが不可欠です。この記事では、2025年の最新情報に基づき、SIerを5つの主要なカテゴリーに分類し、

「売上」「年収」「働きやすさ」の3つの軸で徹底比較したランキングをご紹介します。この記事を読めば、各SIerの強みと特徴が明確になり、貴社のビジネスを成功に導く最適なパートナーを見つけるための具体的な判断基準が手に入ります。

SIerとは？5つの業界分類とその特徴

SIer（エスアイヤー）とは、顧客企業の経営課題をITで解決するため、システムの企画・設計から開発、運用・保守までを一括で請け負う企業を指します。これは、System Integrator（システムインテグレーター）を略した言葉です。多くの企業にとって業務効率化にITシステムは不可欠ですが、専門の開発部門を持たないケースも少なくありません。そのような企業に代わり、IT戦略の立案からシステム導入、そして導入後のサポートまでをワンストップで提供することがSIerの重要な役割です。

SIer業界は、企業の成り立ちや事業の得意分野によって、大きく5つの種類に分類されます。それぞれの特徴を正しく理解することで、自社の課題解決に最適なパートナー企業を見つけやすくなるでしょう。

業界分類特徴ユーザー系SIer大手企業のIT部門が独立した子会社。親会社やグループ企業のシステム開発が中心で、経営が安定しています。特定業界の業務知識に精通しているため、的確な提案が期待できます。メーカー系SIerコンピューターメーカーの開発部門が母体のSIer。親会社のハードウェア製品と組み合わせたソリューション提供に強みを持ち、インフラ構築から一貫して任せられる安心感が特徴です。独立系SIer特定の親会社を持たず、独立してシステム開発を行います。メーカーに縛られず、中立的な立場でコストと性能のバランスが取れた柔軟なシステム提案が可能です。コンサル系SIer企業の経営課題分析からIT戦略の立案、システム導入までを一貫して支援します。DX推進など、経営戦略の根幹から相談したい場合に最適なパートナーです。外資系SIer海外に本社を置くグローバル企業の日本法人。最新技術やグローバル標準のノウハウを活用した、先進的な提案力に定評があります。

これらの分類は、SIerの得意領域や企業文化を理解する上で重要な手がかりとなります。次の章からは、これらの分類ごとに具体的な企業をランキング形式で詳しく見ていきましょう。

SIer業界分類別の売上・年収・働きやすさランキング【2025年最新版】

最適なSIerを選定する上で、企業の何を評価すべきでしょうか。ここでは、パートナー選定の重要な判断材料となる「売上」「年収」「働きやすさ」の3つの観点から、SIer業界を客観的に分析します。これらの指標は、それぞれ企業の異なる側面を映し出すため、総合的な判断に役立ちます。

本ランキングで紹介するデータは、各企業の公式発表（決算短信・有価証券報告書）や、複数の大手転職口コミサイトの公開情報を基に作成しており、客観性を重視しています。各指標が持つ意味を理解し、自社の目的と照らし合わせながらご覧ください。

• 売上ランキング：企業の事業規模や市場での影響力を示す最も分かりやすい指標です。大規模プロジェクトの実績や経営の安定性を重視する場合、売上高は企業の「体力」を測る有力な判断材料となります。
• 年収ランキング：企業の収益性や人材への投資姿勢を反映します。高い年収水準は、優秀な人材を惹きつけ、維持する力があることの証左であり、提供されるサービスの「技術力」や「品質」に繋がり得ます。
• 働きやすさランキング：ワークライフバランスや企業文化など、従業員の満足度を測る指標です。担当者の定着率やプロジェクトへのエンゲージメントに影響するため、長期的なパートナーシップを築く上での「安定性」を見極める上で見逃せません。

これらの多角的なランキングを比較検討することが、自社のパートナーとして最適なSIerを見つけるための確かな一歩となるでしょう。

SIer業界分類別の売上ランキング

企業の安定性や事業規模を測る上で、売上高は最も客観的な指標の一つです。ここでは、SIerを5つの分類に分け、それぞれの売上高トップ企業をランキング形式で紹介します。各社の最新決算情報に基づき、その事業規模と市場でのポジションを比較していきましょう。

ユーザー系SIerランキング

親会社やグループ企業のシステム開発を担うことで、安定した事業基盤を持つユーザー系SIerの売上ランキングです。特定の業界知識に深い強みを持つ企業が名を連ねています。

順位企業名売上高1位株式会社NTTデータグループ4兆3,673億円（2024年3月期、連結）2位伊藤忠テクノソリューションズ株式会社7,282億円（2025年3月期見込、連結）3位SCSK株式会社4,803億円（2024年3月期、連結）4位日鉄ソリューションズ株式会社3,106億円（2024年3月期、連結）5位ネットワンシステムズ株式会社2,010億円（2024年3月期、連結）

※各社の最新の有価証券報告書または決算短信に基づき作成。

結論として、「NTTデータグループ」が他社を大きく引き離し、圧倒的な1位となっています。金融や公共分野など、社会インフラを支える大規模システム開発で国内最大級の事業規模を誇ることが、この結果に繋がっています。大規模かつミッションクリティカルな案件を任せられる信頼性が最大の強みです。

メーカー系SIerランキング

次に、ハードウェアメーカーを親会社に持つ、メーカー系SIerの売上ランキングです。親会社のITサービス部門の売上を含む場合があり、巨大な事業規模が特徴となっています。

順位企業名売上収益（ITサービス関連）1位富士通株式会社3兆7,560億円（2024年3月期、連結）2位日本電気株式会社（NEC）3兆3,130億円（2024年3月期、連結）3位株式会社日立製作所（参考）デジタルシステム&サービス部門 2兆5,532億円（2024年3月期）4位株式会社日立システムズ4,398億円（2023年3月期、連結）5位NECソリューションイノベータ株式会社3,047億円（2024年3月期）

※各社の最新の有価証券報告書または決算短信に基づき作成。日立製作所は全社売上ではなくIT関連部門の数値を参考記載。

この分野では「富士通」がトップに立っています。メーカー系SIerは、ハードウェアからソフトウェア、コンサルティングまで一貫して提供できる総合力が最大の強みです。社会インフラから企業の基幹システムまで、幅広い領域で実績を持っている点が魅力と言えるでしょう。

独立系SIerランキング

続いては、親会社を持たずに独自の経営を行う独立系SIerの売上ランキングです。特定のメーカーに縛られない中立的な立場から、最適なソリューション提案が期待できます。

順位企業名売上高1位株式会社大塚商会9,773億円（2023年12月期、連結）2位TIS株式会社5,490億円（2024年3月期、連結）3位BIPROGY株式会社（旧：日本ユニシス）3,701億円（2024年3月期、連結）4位トランスコスモス株式会社3,737億円（2024年3月期、連結）5位株式会社インターネットイニシアティブ（IIJ）2,897億円（2024年3月期、連結）

※各社の最新の有価証券報告書または決算短信に基づき作成。

オフィス用品の通販サービスでも知られる「大塚商会」が1位にランクインしました。独立系SIerは、顧客の課題に対して最適なハードウェアやソフトウェアを自由に組み合わせて提案できる柔軟性が魅力です。マルチベンダー対応を求める場合に有力な選択肢となります。

コンサル系SIerランキング

コンサルティングを起点に企業のIT戦略を支援する、コンサル系SIerの売上ランキングです。経営課題の解決に直結する高度な提案力が求められます。

順位企業名売上収益1位株式会社野村総合研究所（NRI）7,365億円（2024年3月期、連結）2位アビームコンサルティング株式会社1,497億円（2024年3月期）3位フューチャー株式会社691億円（2023年12月期、連結）4位シンプレクス・ホールディングス株式会社477億円（2024年3月期、連結）5位株式会社JSOL（参考値）

※各社の最新の有価証券報告書または決算短信に基づき作成。

コンサル系SIerでは「野村総合研究所（NRI）」が他を圧倒しています。コンサルティングからシステム開発・運用までを一気通貫で提供できる総合力が強みです。DXの上流工程からパートナーを求める企業にとって、心強い存在と言えるでしょう。

外資系SIerランキング

最後に、グローバルで事業を展開する外資系SIerの売上高ランキングです。世界規模でのビジネスの大きさが、その影響力を物語っています。

順位企業名売上高（グローバル）1位アクセンチュア株式会社約9.7兆円（649億米ドル、2024年8月期）2位日本アイ・ビー・エム株式会社（参考値、日本法人）3位日本オラクル株式会社2,445億円（2024年5月期、日本法人）4位シスコシステムズ合同会社（参考値）5位株式会社日本HP（参考値）

※各社の最新の有価証券報告書または決算短信に基づき作成。アクセンチュアのグローバル売上高は1ドル150円で換算した参考値です。

外資系SIerでは、コンサルティングファームとしても世界的に有名な「アクセンチュア」がトップクラスの売上を誇ります。グローバルで培った最新の知見やテクノロジーを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを強力に支援しています。国内SIerとは桁違いの売上規模が、その影響力の大きさを示しています。

SIer業界分類別の年収ランキング

企業の技術力や人材への投資姿勢を測る上で、従業員の平均年収は重要な指標の一つです。高い年収は優秀な人材を惹きつける要因となり、結果として提供されるサービスの品質向上に繋がる可能性があります。ここでは、各社の有価証券報告書などの公開情報に基づき、業界分類別の平均年収ランキングを紹介します。

ユーザー系SIerランキング

安定した経営基盤を持つユーザー系SIerは、総じて高い年収水準を誇ります。専門性の高い人材が集まりやすい環境と言えるでしょう。

順位企業名平均年収平均年齢1位株式会社電通総研（旧：電通国際情報サービス）1,122万円40.9歳2位伊藤忠テクノソリューションズ株式会社1,028万円40.7歳3位株式会社NTTデータグループ905万円39.0歳4位日鉄ソリューションズ株式会社870万円40.0歳5位ネットワンシステムズ株式会社815万円41.1歳

※各社の最新の有価証券報告書に基づき作成。

トップは「電通総研」の1,122万円と、非常に高い水準です。売上高1位の「NTTデータグループ」も900万円を超えており、業界全体として人材への投資意識が高いことがうかがえます。

メーカー系SIerランキング

次に、大手電機メーカーを母体とするメーカー系SIerの平均年収ランキングです。安定した給与体系と充実した福利厚生が魅力です。

順位企業名平均年収平均年齢1位富士通株式会社965万円43.9歳2位株式会社日立製作所927万円42.9歳3位日本電気株式会社（NEC）843万円43.9歳4位都築電気株式会社822万円44.6歳5位東芝デジタルソリューションズ株式会社（参考値）（参考値）

※各社の最新の有価証券報告書に基づき作成。東芝デジタルソリューションズは非上場のため参考値。

メーカー系SIerでは「富士通」が965万円とトップクラスです。歴史ある大手企業が多く、安定した経営基盤のもとで長期的なキャリアを築きやすい環境が、質の高い人材の定着に繋がっています。

独立系SIerランキング

では次に、独立系SIerの平均年収ランキングを見ていきましょう。実力主義で高い利益率を誇る企業が上位にランクインしています。

順位企業名平均年収平均年齢1位株式会社オービック1,103万円35.9歳2位株式会社大塚商会857万円41.8歳3位BIPROGY株式会社839万円44.8歳4位JBCCホールディングス株式会社844万円47.3歳5位SCSK株式会社747万円44.1歳

※各社の最新の有価証券報告書に基づき作成。

独立系SIerでは「オービック」が1,103万円と、1,000万円の大台を大きく超えています。自社開発のパッケージソフトを強みに高い利益率を実現し、それを社員に還元する経営方針が、優秀な人材の確保に繋がっていると考えられます。

コンサル系SIerランキング

専門性の高さが求められるコンサル系SIerの平均年収は、他の分類と比較しても特に高い水準にあります。それだけ高度なスキルを持つ人材が集まっている証左です。

順位企業名平均年収平均年齢1位株式会社野村総合研究所（NRI）1,242万円40.2歳2位株式会社三菱総合研究所1,111万円43.4歳3位シンプレクス・ホールディングス株式会社1,116万円33.8歳4位アクセンチュア株式会社（参考値）（参考値）5位フューチャー株式会社771万円37.2歳

※各社の最新の有価証券報告書に基づき作成。アクセンチュアは非公開のため参考値。

トップは「野村総合研究所（NRI）」で1,242万円と、SIer業界全体でも最高水準です。高い専門性が求められる分、それに見合った高い報酬体系が整備されており、極めて優秀な人材が集まっていることが推測されます。

外資系SIerランキング

続いて、実力主義の傾向が強い外資系SIerの平均年収ランキングです。個人の成果が報酬に直結しやすいため、高いパフォーマンスを発揮できる人材には魅力的な環境です。

順位企業名平均年収平均年齢1位日本オラクル株式会社1,259万円44.1歳2位シスコシステムズ合同会社（参考値）（参考値）3位SAPジャパン株式会社（参考値）（参考値）4位アクセンチュア株式会社（参考値）（参考値）5位株式会社日本HP（参考値）（参考値）

※日本オラクルの有価証券報告書に基づき作成。その他は非公開のため参考値。

公開情報がある中では「日本オラクル」が1,259万円と、コンサル系トップのNRIをも上回る結果となりました。外資系企業は、高いパフォーマンスを発揮できる人材にとっては、年齢に関わらず高収入を目指せる点が大きな魅力です。

SIer業界分類別の働きやすさランキング【社員口コミ】

報酬だけでなく、ワークライフバランスや企業文化といった「働きやすさ」もパートナー選定の重要な軸です。担当者の満足度や定着率は、プロジェクトの安定進行や長期的な関係構築に直結します。ここでは、複数の大手転職口コミサイトの評価を基に、働きやすさのランキングを紹介します。

ただし、このランキングは各企業の元従業員や現役社員による匿名の評価を平均化したものです。企業の内部文化やリアルな労働環境を知るための一つの判断材料となりますが、個人の主観に基づく評価も含まれるため、あくまで多角的な情報収集の一環としてご活用ください。

ユーザー系SIerランキング

親会社の安定した基盤と充実した福利厚生が魅力のユーザー系SIerの働きやすさランキングです。長期的に安定したプロジェクト運営を期待できます。

順位企業名平均評価1位NTTデータ3.792位電通総研（旧：ISID）3.693位日鉄ソリューションズ3.674位NTTコミュニケーションズ3.595位伊藤忠テクノソリューションズ3.47

※複数の大手転職口コミサイトの公開データを基に集計（2025年10月時点）。

働きやすいユーザー系SIerの1位は「NTTデータ」で、評価は3.79でした。大企業の子会社であるため、安定した経営基盤や充実した福利厚生が従業員の満足度に繋がっていると考えられます。担当者のエンゲージメントが高く、安心してプロジェクトを任せられるでしょう。

メーカー系SIerランキング

次に、メーカー系SIerの働きやすさランキングです。歴史ある企業が多く、研修制度などが整っている傾向にあり、担当者のスキルセットの高さも期待できます。

順位企業名平均評価1位日立製作所3.482位都築電気3.403位NEC3.334位NECソリューションイノベータ3.205位富士通3.16

※複数の大手転職口コミサイトの公開データを基に集計（2025年10月時点）。

メーカー系SIerの働きやすさ1位は「日立製作所」で3.48となっています。親会社が大手メーカーであるため、福利厚生や研修制度が充実している点が高評価に繋がっています。人材育成に力を入れている企業が多く、パートナーとして共に成長できる可能性を秘めています。

SIer ランキングに関するよくある質問（FAQ）